📖 『三杯目で復活する名前。』──恋ちゃう。不安の通知や。

🍸 BAR PRIMO 夜話
──ええ話っぽいけど全員酔っぱらい

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🕛 冒頭ナレーション|深夜0時すぎ

もう終わった。
連絡も取ってへん。

未練もない。
……はずやった。

でも三杯目を越えたあたりで、
スマホの奥にひとつだけ
勝手に光る名前がある夜。

ここはBAR PRIMO。
“終わったはず”が
だいたい信用ならん場所。

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🕛 AM 0:07🍺 酔っぱらい
──余裕なフリの夜──


カウンターの端。
ゲストはグラスを回しながら言う。

👤ゲスト
「……もう、終わってるんですけどね」

🍸マスター
「その“もう”、怪しいな」

🍷バッカス
「九割終わった言う人はな、
 一割に命かけとる」

👤ゲスト
「連絡も取ってないし、
 思い出すこともほとんどないです」

🍸マスター
「“ほとんど”言うたな」

🍷バッカス
「三杯目で“ほとんど”は崩れる」

👤ゲスト
「……酔ったら、名前浮かぶんです」

🍷バッカス
「出たな。三杯目の通知」

🍸マスター
「会いたいわけちゃうんやろ?」

👤ゲスト
「……別に」

🍷バッカス
「それが一番ややこしい」

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🕐 AM 1:23🍶 かなり酔っぱらい
──ズレてる本音の夜──


氷が溶ける音。

🍸マスター
「なぁ。連絡したなる時って、
 相手のこと考えてる?」

👤ゲスト
「……考えてないです」

🍷バッカス
「正解」

👤ゲスト
「え?」

🍷バッカス
「思い出してるんはな、
 “その人とおった時の自分”や」

🍸マスター
「甘えてた自分。
 守られてた自分。
 なんか、
     ちゃんとしてへんでも許された自分」

👤ゲスト
「……今の私に足りてないやつです」

🍷バッカス
「せやから浮かぶ」

🍸マスター
「相手やない。
 あの頃の“安心してた自分”や」

👤ゲスト
「……それ、ちょっと悔しいですね」

🍷バッカス
「全員そうや。安心せぇ」

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🕒 AM 2:58🥴 泥酔
──指が動く前の夜──


ゲストはスマホを持つ。
画面が光る。

🍸マスター
「今なら送れるな」

👤ゲスト
「……送れますね」

🍷バッカス
「ひとつだけ試してみ」

👤ゲスト
「……はい」

🍷バッカス
「その名前、
 送信ボタンの前に胸に戻せ」

🍸マスター
「“会いたい”ちゃう。
 “今ちょっと寂しい”や」

👤ゲスト
「……それだけ?」

🍷バッカス
「それだけや」

🍸マスター
「元カレはな、
 不安のゴミ箱ちゃう」

ゲストは少し笑って、
スマホを伏せた。

👤ゲスト
「……今日は送らんで帰れそうです」

🍷バッカス
「それがホンマの“終わり”や」

🍸マスター
「終わるんは相手ちゃう。
 依存や」

🍷バッカス
「ええこと言うたな。酔ってるくせに」

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🌙 追記
マスターはグラスを磨きながら言う。

「酔って連絡したくなる相手はな、
 まだ好きな人ちゃう。
 “弱かった頃の自分”や」

……とか言うてるワシが、
昔は三杯目で毎回やらかしてた。

バッカスはもう寝てる。
BAR PRIMO 夜話。

ええ話っぽいけど、
全員ちゃんと酔っぱらい。

三杯目で復活する名前は、
恋やなくて、
“寂しさのショートカット”や。

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