📕『酔っぱらいの神さま、追う恋ほど逃げる理由を語る。』──重いからや。

🍸 BAR PRIMO 夜話
──静かな夜と、酔っぱらいの夜

同じ夜、
神さまの機嫌で話が変わる。

優しい夜と、
ちょっと笑える夜がある。

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🕛 冒頭ナレーション|深夜0時すぎ

恋は、
頑張れば届く。

そう思って、
走ることがある。

LINEを送って、
会いに行って、
気持ちを伝えて。

それでも、
なぜか距離が開く。

ここはBAR PRIMO。
恋の追いかけっこが語られる場所。

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🌙 静かな夜

🕛 AM 0:08|静かなカウンター

👤ゲスト
「好きになると追いかけちゃうんです」

🍸マスター
「止められないですよね」

👤ゲスト
「でも追うほど逃げるんです」

氷が、からりと鳴る。

🍷バッカス
「そらな」

一拍。

🍷バッカス
「重いからや」

👤ゲスト
「え?」

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🕐 AM 1:19|グラスの水滴

🍷バッカス
「人はな」

🍷バッカス
「好きすぎると」

🍷バッカス
「荷物増える」

👤ゲスト
「……」

🍸マスター
「期待や不安ですね」

静かな間。

🍷バッカス
「好き」

🍷バッカス
「会いたい」

🍷バッカス
「分かってほしい」

一拍。

🍷バッカス
「それ全部」

🍷バッカス
「背負わせとる」

👤ゲスト
「……」

氷が静かに溶ける。

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🕒 AM 2:41|深夜のやわらかい灯り

👤ゲスト
「じゃあ追わない方がいいんですか」

🍷バッカス
「追うのはええ」

一拍。

🍷バッカス
「でもな」

🍷バッカス
「全力疾走すな」

👤ゲスト
「……」

🍸マスター
「歩くくらいがいいかもしれませんね」

🍷バッカス
「恋はな」

一拍。

🍷バッカス
「マラソンちゃう」

🍷バッカス
「散歩や」

静かに、グラスが置かれる。

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氷が、からりと鳴る。

……。

🍷バッカス
「いや」

「ちょっと待て」

🍸マスター
「どうしました」

🍷バッカス
「今の話」

🍷バッカス
「ちょっと恋愛本みたいや」

👤ゲスト
「え?」

🍷バッカス
「ワシ」

🍷バッカス
「そんな綺麗な先生ちゃう」

🍷バッカス
「もう一回や」

👤ゲスト
「もう一回?」

🍷バッカス
「同じ話」

🍷バッカス
「酔っぱらいバージョンで」

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🍷 酔っぱらいの夜

🕛 AM 3:33|同じカウンター

👤ゲスト
「好きになると追いかけちゃうんです」

🍸マスター
「そういう夜ありますね」

🍷バッカス
「ほな聞くで」

👤ゲスト
「はい」

🍷バッカス
「その恋」

一拍。

🍷バッカス
「今何杯目や」

👤ゲスト
「……四杯目です」

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🕐 AM 4:01|グラスの底が見えてくる

🍷バッカス
「人間な」

🍷バッカス
「好きすぎる恋の時」

一拍。

🍷バッカス
「だいたい」

🍷バッカス
「自分で空気重くする」

👤ゲスト
「……」

🍸マスター
「緊張しますからね」

🍷バッカス
「せや」

氷が、からり。

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🕒 AM 4:49|夜明け前

🍷バッカス
「ほんまの恋はな」

👤ゲスト
「……」

🍷バッカス
「追いかけんでも」

🍷バッカス
「近く歩いとる」

🍸マスター
「同じ方向ですね」

🍷バッカス
「せや」

一拍。

🍷バッカス
「逃げる恋は」

一拍。

🍷バッカス
「だいたい走りすぎや」

グラスの氷が、ゆっくり溶けていく。

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🌙 エピローグ

追う恋。

それは
悪いことじゃない。

ただ
走りすぎると
相手は息切れする。

恋は
捕まえるものじゃなくて、
並んで歩くもの。

今夜は
少し歩く速度を
ゆるめて帰り。

本当に合う人は、
同じ速さで
横にいる。

🌠この店では

悩んでる人にだけ
酔っぱらいの神さまが
見えることがあるらしい。

名前は、バッカス。

ただ——

常連はみんな言う。

「だいたい
マスターと同じこと言うねん。」

偶然なんか。
それとも——

氷が、からり。

大阪ミナミ
雑居ビルの6階。

今夜もBAR PRIMOでは
マスターが静かにグラスを磨いている。

さっきまで
そこに神さまが座っていた気もする。

でも、まあ——

深夜のバーの話は
だいたい半分くらい
酒のせいらしい。

神さまに会えるかどうかは

来てみた人だけが知っている。😁

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🏷️
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