📖「30年分の夜は、だいたい人の言い訳でできてる」 1夜

🍸 BAR PRIMO 夜話──深夜0時の処方箋 

🕛 冒頭ナレーション
深夜0時すぎ。
ミナミの路地裏、ネオンがちょっと疲れてる時間。
答えは出てへん。
でも、考えすぎて頭だけはやたら元気な夜。

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🕛 AM 0:07🍺 酔っ払い
──頭が元気すぎる夜──

🍸マスター
「なぁバッカス、30年やで?
このカウンター、どれだけの人生聞いてきた思う?」

🍷バッカス(悩んでる人しか見えない神さま)
「30年てな、人生3回分くらいの言い訳量やで。
大阪城の石垣より積み上がっとる」

🍸マスター
「二十歳になりましたー!って乾杯した女の子な、
この前な、50歳やで」

🍷バッカス
「知ってる知ってる。
娘連れて来てたやろ」

🍸マスター
「そうや。
“今日は娘と初めて飲めて嬉しいんです”言うてな」

🍷バッカス
「泣いたん?」

🍸マスター
「泣いてへん。
ワシ、グラス磨きながら逃げた」

🍷バッカス
「逃げるなや。
そういう夜が、バーの本番やろ」

🍸マスター
「ほんまにな。
恋も、仕事も、夢も、
全部このカウンターで言い訳しよる」

🍷バッカス
「せやけどな、
バーの会話が面白い理由、知ってるか?」

🍸マスター
「酒のせい?」

🍷バッカス
「ちゃう。
正解言わんでも許される場所やからや」

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🕐 AM 1:23🍶 かなり酔っ払い
──感情が先に出る夜──

🍸マスター
「30年見てきて思うのはな、
変わりたい言う人ほど、動かへん」

🍷バッカス
「準備中を趣味にしてるタイプな」

🍸マスター
「“もうちょい整ったら”
“タイミングが…”
“今は忙しくて…”」

🍷バッカス
「それな、
今の生活を手放したくない病や」

🍸マスター
「うわーキツいことつうな〜ワシ、今日も発症中や」

🍷バッカス
「安心せぇ。
ワシも罹っとる」

🍸マスター
「神さまもかい」

🍷バッカス
「神さまやけど、
行動だけは苦手や」

🍸マスター
「“準備中”って、もう特技やな」

🍷バッカス
「履歴書に書けるで。
資格:準備中(20年)」

🍸マスター
「でもな、不思議やで。
バーで喋った人、
翌日ちょっとだけ動きよる」

🍷バッカス
「せやろ。
説教されてないからや」

🍸マスター
「答えもろてへんのに、
勝手に決めて帰る」

🍷バッカス
「それが夜話や。
背中押さん。
ただ、勘違い壊すだけ」

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🕒 AM 2:58🥴 泥酔
──理屈が壊れる夜──

🍷バッカス
「なぁマスター、
この店で一番多い言葉、知ってるか?」

🍸マスター
「“もう一杯”ちゃうん?」

🍷バッカス
「ちゃう。
“ほんまはな…” や」

🍸マスター
「……確かに」

🍷バッカス
「ほんまは、
もう気づいてるんや」

🍸マスター
「気づいてるのに、
気づいてへんフリする才能だけは一流や」

🍷バッカス
「せや。
恥かくのが」

🍸マスター
「ほな夜話は、
その恥を一回、笑いにする場所やな」

🍷バッカス
「せや。
笑われたら、次は動ける」

🍸マスター
「答えは出さん」

🍷バッカス
「せやけどな…」

🍸マスター
「一個だけ、置いてく」

🍷バッカス
「明日、5分だけやってみ
それだけや」

🍸マスター
「神さまにしては、えらい地味やな」

🍷バッカス
「5分ナメたらアカン。
カップ麺、2回作れる時間や」

🍸マスター
「神さま、急に生活感出すな」

🍷バッカス
「派手なこと言う神さまほど、
信用したらアカン」

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🌙 追記(帰り道)
ゲストはスマホ見ながら歩く。
ちょっと空を見て、笑って、
何か一個だけ決めて帰る。

マスターは店の電気を落としながら思う。
――30年見てきた夜は、
誰かの人生が、
ちょっとだけ動く瞬間の集合体や。

🍸 BAR PRIMO 夜話
ここは、
ホッとする場所ちゃう。
優しく包む場所でもない。

ドキッとして、
ムカッとして、
笑って、
勝手に一歩出てしまう場所や。

ワシもできてへんけどな。
5分やる言うて、
昨日も2分でやめた。

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