📖『もう遅いって誰が決めたんやの夜』 8夜

🍸 BAR PRIMO 夜話──深夜0時の処方箋

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🕛 冒頭ナレーション
深夜0時すぎ。
「もう遅い」という言葉が、
軽く、でも確実に未来を止める時間。

答えは出てへん。
でも“始めへん理由”だけは、
やたら手際よく並ぶ夜。

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🕛 AM 0:07🍺 酔っ払い
──頭が元気すぎる夜──

(カウンター中央。ゲストがグラスを見つめたまま、ぽつり)

👤ゲスト
「もう遅いですよね…」

🍸マスター
「何が?」

👤ゲスト
「全部です」

🍷バッカス(悩んでる人しか見えない神さま)
「全部て。
人生、福袋か」

🍸マスター
「年齢?」

👤ゲスト
「それも…今さら始めても、って」

🍷バッカス
「出た。“今さら”。
深夜になると急に強なる言葉」

🍸マスター
「昼間は鳴り潜めてるのにな」

👤ゲスト
「昼は忙しいですから…」

🍷バッカス
「夜はヒマや。
せやから想像力が暴走する」

🍸マスター
「想像力な、
だいたい“最悪シナリオ専門部署”や」

🍷バッカス
「ワシの想像力もな、
成功ルート一回も通ったことない」

🍸マスター
「ワシは“恥かく→気まずい→記憶に残る”まで
フル再生するタイプや」

🍷バッカス
「4K画質でな」

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🕐 AM 1:23🍶 かなり酔っ払い
──感情が先に出る夜──

👤ゲスト
「失敗したら、“その歳で?”って言われそうで…」

🍸マスター
「言われるで」

👤ゲスト
「やっぱり…」

🍷バッカス
「言われる。
ほぼ100%。
ワシ保証付き」

👤ゲスト
「ほら!」

🍷バッカス
「でもな、言うてくる人は
やってへん側や」

🍸マスター
「やってる人はな、
自分のことで忙しくて他人見てへん」

👤ゲスト
「それでも怖いです…」

🍷バッカス
「怖いのはな、失敗ちゃう」

🍸マスター
「何や?」

🍷バッカス
「やらんまま年取った自分を、
この先ずっと
“あの時な…”って眺め続けることや」

(ゲスト、黙る)

🍸マスター
「バーで30年見てきて思うけどな、
“もう遅い”って言う人ほど、
心だけはピンピンしてる」

👤ゲスト
「現役なら、
もっと動けそうなもんですけど…」

🍷バッカス
「心は起きてる。
体と勇気が仮眠中なだけや」

🍸マスター
「ワシはな、
勇気だけ一回、永眠しかけた」

🍷バッカス
「マスター、
時々いびきかいてたで」

🍸マスター
「起こせや」

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🕒 AM 2:58🥴 泥酔
──理屈が壊れる夜──

🍸マスター
「なぁバッカス。
“遅い”って、誰が決めてるんやろな」

🍷バッカス
「他人の人生スケジュール帳や」

👤ゲスト
「……自分の時計、
ちゃんと見てなかったかもしれません」

🍷バッカス
「せや。
人はな、
他人の時計で焦って、
自分の時間を止める」

🍸マスター
「今日の処方箋は?」

🍷バッカス
「これだけ👇
“他人の基準を一回捨てて、
今できる一歩だけ踏め”」

👤ゲスト
「一歩…
連絡一本とか?」

🍷バッカス
「それで充分。
百点や」

🍸マスター
「相変わらず雑やな」

🍷バッカス
「雑やけどな、
“もう遅い病”には一番効く」

🍸マスター
「ワシもな、
一歩出る前に十歩悩むタイプや」

🍷バッカス
「その十歩、
だいたい足踏みやけどな」

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🌙 追記(帰り道)
ゲストは店を出て、腕時計を見る。
少し考えて、外す。
ポケットに入れて、
自分の歩幅で歩き出す。
マスターは看板を消しながら思う。

“もう遅い”って言葉は、
だいたい始める直前に出てくる。

ワシもな、
その前で何回も立ち止まった。
偉そうに言うてるけど、
今日もまだ途中や。

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