
🍸 BAR PRIMO 夜話
──ええ話っぽいけど全員酔っぱらい
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🕛 冒頭ナレーション|深夜0時すぎ
ミナミの裏通り。
終電はとっくに行った。
せやのに、気持ちだけが帰られへん夜。
連絡は来てへん。
既読もついてへん。
それでもスマホだけが、
何回も呼吸してる気がする。
ここはBAR PRIMO。
恋が終わる場所やない。
恋が、ややこしくなる場所。
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🕛 AM 0:07|🍺 酔っぱらい
──考えんでええことを考える夜──
カウンターの端。
ゲストがグラスを指で回す。
🍸マスター
「恋ってなんで、
考えんでええことばっかり
考えさすんやろな」
🍷バッカス
「考えたら分かるもんやったら、
人類とっくに恋やめとる」
👤ゲスト
「……分かってるんです。
来ぇへんって」
スマホの画面が、一瞬だけ光る。
🍸マスター
「好きやったら連絡くる。
来ぇへんかったら脈なし。
そんな単純やったら楽やのに」
🍷バッカス
「好きになるほど、
人は勝手にルール増やす」
👤ゲスト
「優しくされてるのに、
急に不安になるんです」
🍷バッカス
「それな。
“大事にされること”に慣れてへんだけや」
🍸マスター
「……恋の話ちゃうな」
🍷バッカス
「せや。
追われへんようになった瞬間、
恋は一回静かになる」
👤ゲスト
「冷めたんやと、思ってました」
🍷バッカス
「ちゃう。
騒がんでええ時間に入っただけや」
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🕐 AM 1:23|🍶 かなり酔っぱらい
──不安の正体が出てくる夜──
氷がカランと鳴る。
👤ゲスト
「でも、その静けさが一番怖いんです」
🍸マスター
「このまま終わるんちゃうかって思うよな」
🍷バッカス
「それな、不安ちゃう」
👤ゲスト
「……ほな何ですか」
🍷バッカス
「昔の自分の再放送や」
🍸マスター
「再放送?」
🍷バッカス
「待たされた夜。
放っとかれた記憶。
心が勝手にチャンネル戻しとる」
👤ゲスト
「……今の人と関係ないですね」
🍷バッカス
「せやのに人は
“今回もあかんかも”って
現在形にしてまう」
🍸マスター
「過去のワシら、口出し多すぎやろ」
🍷バッカス
「しかも親切心や。タチ悪い」
👤ゲスト
「……私、だいたい台風起こします」
🍸マスター
「大丈夫や。
ここ、台風経験者しか来ぇへん」
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🕒 AM 2:58|🥴 泥酔
──静けさと向き合う夜──
🍸マスター
「ほな結局、どうしたらええ?」
🍷バッカス
「どうもせんでええ」
👤ゲスト
「……それが一番難しい」
🍷バッカス
「ひとつだけ試してみ」
👤ゲスト
「……はい」
🍷バッカス
「明日な、スマホを伏せて置け」
👤ゲスト
「それだけ?」
🍷バッカス
「通知鳴った“気がした”時、
見んと、
『今、不安鳴ったな』って
心で言うだけや」
🍸マスター
「意味なさそうやな」
🍷バッカス
「意味ないことやらんと、
クセはほどけへん」
👤ゲスト
「……それで何が分かるんですか」
🍷バッカス
「連絡待っとるんは恋やなくて、
自分の不安やったって分かる」
ゲストは、静かにスマホを伏せる。
🍸マスター
「……顔、ちょっと軽なったな」
🍷バッカス
「気のせいや。
でも、その“気のせい”で十分や」
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🌙 追記
マスターは、
伏せられたスマホをちらっと見る。
氷がひとつ、カランと鳴る。
「恋はな、
静かになった夜から
ほんまの形が見える」
……とか言いながら、
ワシも昔は沈黙にビビって
台風量産してた。
バッカスはもう半分寝てる。
BAR PRIMO 夜話。
ええ話っぽいけど、全員ちゃんと酔っぱらい。
静けさは終わりやない。
ただの“間”や。
それを壊さん夜が、
たまに恋を育てる。
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