🍸 バープリモ劇場『マジメすぎて、人生こぼれてもうてるやん。』

🍸 バープリモ劇場
『マジメすぎて、
人生こぼれてもうてるやん。』

──金曜の夜。
店内はにぎやかでもなく、
静かでもない「ちょうどええ空気」。

その空気をスーツで真っ二つに
切り裂いてきたのは、
会社帰りのヒロト(31歳・経理)。

●ヒロト(背筋ピン)
「……こんばんは。
お酒は一杯までと決めてるので、
炭酸水でお願いします。」

○マスター(カウンターの中で目を細める)
「でたな、バーテンダー泣かせの男。」

●ヒロト
「アルコールは
パフォーマンスに影響するんで…」

○マスター
「ヒロトくん、パフォーマンス言うけど、
ここはライブ会場ちゃうで?
ただのバーや。」

──そこへ、チャリで登場した常連のミオ(33歳・漫画アシスタント)。

自転車のカゴから飛び出したネギと、
謎のパジャマ姿。

●ミオ
「ただいまー!マスター、
炭酸にウメボシ入れて〜」

●ヒロト(ドン引き)
「えっ、ここ…お店ですよね?」

●ミオ
「うん。人生の駐輪場みたいなとこ。」

○マスター
「うまいこと言うたな。」

──ミオはヒロトの
カチカチのネクタイを見て、ふっと笑う。

●ミオ
「ヒロトくん、
毎日“きっちり”してて偉いなぁ。でも…」

──言いながら、
自分のリュックから取り出したのは、
“手作り弁当(ほぼ梅干し)”。

●ミオ
「これ見て。
形もバランスもぐっちゃぐちゃやけど…
私の彼氏、これ食べて“幸せの味や〜”
って泣いたんよ。」

●ヒロト
「……それはさすがに感受性、
過敏すぎません?」

○マスター(クスッと笑って)
「ヒロトくん。真面目ってな、
“丁寧”と“厳しさ”を間違えてもうたら、
人生に“遊び”がなくなるんや。」

●ヒロト(ムッとしつつ)
「でも“ちゃんとしてる”のが
自分の誇りなんで…」

○マスター
「せやな。ちゃんとしてるのは
ええこっちゃ。でもな──

ワシも昔、真面目すぎて
カップラーメンに“3分27秒”
かけてもうてたことあんねん。」

●ヒロト(ぽかん)
「え、それってどういう…?」

○マスター
「“3分ぴったりやと
芯が残ってるかもしれん”て
不安なってな。
毎回27秒、足してしまうねん。
で、結果いつも麺が伸びて泣く…😅」

●ミオ(吹き出す)
「うわ〜“損せえへんために
損してる代表例”やん!」

○マスター
「そうや。完璧を求めて、味を失う。
人生もラーメンも、ちょっと芯が
残ってるくらいがうまいんやで。」

●ヒロト(ポツリと)
「……たしかに最近、
“うまさ”より“正しさ”で生きてたかも。」

○マスター(ニッコリ)
「ほな今夜は、
“ちょっと芯ありヒロト”でええやん。
ネクタイゆるめて、まず一口。」

──マスターが差し出したのは、
甘さ控えめ、
ウメボシ入りの“梅スカッシュ”。

○マスター
「“きっちりすぎる男と、
ぐちゃぐちゃ弁当の梅スカッシュ”。
なかなかええペアやろ?」

●ヒロト(ひと口飲んで)
「……うま。すっぱ。ちょっと涙出る。」

●ミオ
「それはたぶん、ウメボシのせい。」

──店内がふわっと笑いに包まれた。

📻ナレーション:

“ちゃんとする”って、ほんとは
誰かのために頑張ってる優しさ。

でも、それをずっと自分に投げ続けると、
いつか心が…カピカピになる。

大丈夫。バープリモには、
3分27秒で麺を伸ばした経験者や、
ネギ飛び出たまま
チャリで来る人がいます(笑)

ここは、“ちゃんとしすぎた人”が
ちょっと自分を笑える夜をつくる場所。

カップ麺みたいな人生でもええ。
ちょっとくらい伸びたって、
ちゃんと旨い。😁

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