🌠 自信がなくなる夜。──人の正解ばっかり写して、自分の字どこいった。

🍸 酔っぱらいの神さまがいる店。
──BAR PRIMO 夜話 2

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🪞 導入文

あの人みたいに話せたら。あの人みたいに決断できたら。あの人のやり方なら、きっとうまくいく。

そう思って真似してみるほど、

自分の輪郭だけが、だんだん薄くなる。

気づけば、

“私の答え”が何やったか分からなくなる。
どれ書いても、しっくりこん。

そんな夜、ありますよね。

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📢 ナレーション

大阪ミナミ、深夜0時。
雑居ビルの上のほう。

氷がカランと鳴るたび、
今日も誰かの“自分の答え”が、
グラスの底で揺れている。

BAR PRIMOのカウンターでは、
神さまが隣の客の枝豆の食べ方を見て、同じ順番で真似していた。

そこまで写さんでええ。味は一緒や。
食べ方まで真似しても、腹は一緒や。

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🎭 会話劇

👤 ゲスト
「最近、自信がなくて…」

🍷 バッカス
「それな。」

一拍。

「でもな。」

「お前、人の正解を丸写ししてる。」

カンニング状態や。

👤 ゲスト
「え…丸写し?」

🍸 マスター
「テストで一番あかんやつやな」

🍷 バッカス
「あの人みたいに話そう。あの人みたいに働こう。あの人みたいに振る舞おう。」

一拍。

「全部よう分かる。」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「でもな。」

一拍。

「問題文ちゃう。」

そもそも試験ちゃう。

👤 ゲスト
「……あ」

🍸 マスター
「そこ一番ズレてるやつや」

🍷 バッカス
「育った環境も違う。性格も違う。得意も違う。タイミングも違う。背負ってるもんも違う。」

一拍。

「せやのに答えだけコピーしてる。」

👤 ゲスト
「たしかに…」

🍷 バッカス
「そら自信なくなるわ。」

一拍。

「自分の問題に、人の答え入れてもしっくりこん。」

そら自分の答えちゃうしな。

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「穴埋め問題に、小説のラスト書いてる感じやな」

🍷 バッカス
「せや。」

一拍。

「しかもな。」

「人の答えって。」

一拍。

「その人が何回も間違えて、やっと辿り着いたやつや。」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「途中の迷いも、失敗も、恥も、全部飛ばして。」

一拍。

「答えだけ盗んでる。」

👤 ゲスト
「うわ…」

🍸 マスター
「途中式ゼロで満点狙ってるやつや」

🍷 バッカス
「せや。」

一拍。

「答え合ってても、自分の中に残らへん。」

一番信用ならんやつ。

👤 ゲスト
「それです…」

🍷 バッカス
「ほんでな。」

一拍。

「自信ってな。」

「正解を知った時に増えるんちゃう。」

一拍。

「自分で答え出した時に増える。」

自分で出した答えだけ、残る。

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「60点でも、自分の字で書いたやつは残るしな」

🍷 バッカス
「せや。」

「ちょっとズレてもええ。ちょっと不器用でもええ。」

一拍。

「お前の字で書いた答えのほうが、次に使える。」

何回でも使える。

👤 ゲスト
「……なんか安心しました」

(氷がカラン。サックスがやさしく前に出る)

🍷 バッカス
「せやからな。」

一拍。

「自信なくなったら。」

一拍。

「人の答案見る前に、自分の問題文読め。」

そこにしかヒントない。

👤 ゲスト
「自分の問題文…」

🍸 マスター
「今日の自分に合う答えやな」

🍷 バッカス
「ミナミの夜はな。」

一拍。

「100点の模範解答より。」

一拍。

「60点でも自分で書いた答えのほうが、次の夜を照らす。」

自分で進める灯りになる。

👤 ゲスト
「……その感じ、好きです」

🍸 マスター
「この店もだいたい60点くらいで回ってるしな」

🍷 バッカス
「せや。」

一拍。

「その雑さが、ちゃんと味になる。」

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🫧 エピローグ

自信がなくなる夜は、人の答えを見すぎてるだけかもしれない。

まずは自分の問題文を読む。

そこから書いた一行が、ちゃんとあなたの自信になる。
その一行が、次の自分を助ける。

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🥃 マスターのひとことメモ

自信は、自分の字で書いた分だけ増える。
写した答えは、すぐ消える。

知らんけど…😁

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