バープリモ劇場第3話『リサ、初めてのお菓子教室』

🍰 バープリモ劇場第3話
『リサ、初めてのお菓子教室』

（舞台：BAR PRIMOのカウンター。
リサが、何か言いたげにソワソワしている。マスターは、そんな様子に気づきながらも、あえて何も言わず、グラスを磨いている）

●リサ（もじもじしながら）
あのな、マスター……
来週、ついに“お菓子教室”ひらくことになってん。
小さな一歩やけど、夢に向かって歩き出せた気がする。

◯マスター（ニッと笑いながら）
おぉ、ついに種が芽を出し始めたか🌱
……で、参加者は何人や？

●リサ（微妙な笑顔）
今んとこ、一人。

◯マスター（手元のグラスを落としそうになりながら）
ひ、一人⁉　まさか……！

●リサ
……母親や（笑）
「アンタが失敗しても、全部食べたるから」って。

◯マスター（吹き出しながら）
それ、“お菓子教室”やなくて、
“家庭の出張戦”やん。母の愛、強すぎる。

●リサ（ため息まじり）
チラシも頑張って作ったし、SNSにもあげたんやけど……
まるで風が吹かん。センスないんかなぁ。

◯マスター（しれっと）
で、そのチラシ、どんな感じやったん？

●リサ
「初心者歓迎！米粉のやさしいおやつ教室」って、ふんわりピンクで、けっこう可愛く作ったつもり。

◯マスター（頷きながら）
うん、“米粉界”では満点や。
けど、うちの常連に見せたらたぶん、
「血糖値が上がる見た目やな」って言われるで（笑）

●リサ（苦笑い）
……確かに。ちょっとパンチ足りへんかったかも。

了解です😎✨
じゃあ、さっきのやり取りをユーモラスにわかりやすく例えてみましょう👇

◯マスター
たとえばやけど、
「不器用でも大丈夫！失敗OK米粉教室」って書いたら、
“自分でもイケる!?”って思う人、めっちゃ増えると思うで。

たとえて言うなら、
「高級寿司食べ放題」って書くより、
「回転寿司の裏ワザ教えます！」の方が、気になるやろ？

●リサ（目をまんまるにして）
それや‼ それやん‼😂
うち、ずっと“インスタ映え”で勝負しようとしてたけど、
本来は“インスタ迷子”やったん忘れてたわ！

◯マスター（急に真顔で）
夢の芽ってな、最初は見えへんもんや。
雑草のほうがよう伸びる。
でも、一本ずつ抜いていくたびに、“夢筋”が鍛えられていくんやで。
焦らんでええ。

●リサ（じわっと胸があたたまる）
……また名言出たなぁ。
うちのマフィンも、雑草に負けへんように育てるわ。

◯マスター（ちょっといたずらっぽく）
ほんなら初回、うちでやってみるか？教室。

●リサ（驚きの声）
え⁉ ここで⁉

◯マスター
せや。
夜な夜な人生こじらせてる大人たちに、
「米粉って、なんかホッとするなぁ」って言わせたれ。

（数日後──
BAR PRIMOにて、お菓子教室が開催される）

●リサ（エプロン姿で、少し緊張気味）
今日は、“心ほどける米粉のおやつ”を、
いっしょに作っていきま〜す！

▲客A（カウンター越しに顔をのぞかせて）
マスター、甘い匂いする思たら……
ホンマに教室やってるやん！

◆客B（酒を片手に）
これ、アテにはなるんか〜？（笑）

●リサ（苦笑しつつも、堂々と）
アテにはならんけど……
“心のアテ”にはなるよ！

★客C（うなずきながら）
ええやん。“おやつで癒される大人は、だいたい疲れてる”って言うしな〜。

（笑い声と甘い香りに包まれながら、教室はゆるやかに進み──）

🌱夢への一歩は、母ひとりから始まっても、立派なスタート。

雑草に負けず、少しずつ水やって、光あてて、
何度も転んで、何度も笑って、
気づいたら、芽が出てる。

そして──
夢って、たった一人が笑ってくれたら、それで十分。

たったひとつのマフィンが、
バーの空気を、ふんわりやわらかくしてくれる夜もある。

📺次回予告：
『リサ、まさかのリピーター登場！でもその正体が…!?』