
🍸 酔っぱらいの神さまがいる店。
──BAR PRIMO 夜話
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🪞 導入文
人生には、ときどき
こんな言葉が頭に浮かぶ夜がある。
「もう遅いんちゃうか。」
夢も。
挑戦も。
新しいことも。
気づいたときには
もう年齢が進んでいて、
「今さら…」と
思ってしまう夜。
そんな夜、
ミナミのバーで神さまが言う。
「それな。」
「だいたい
思い込みや。」
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📢 ナレーション
深夜0時すぎ。
大阪ミナミの雑居ビルの最上階。
BAR PRIMO。
グラスの氷が、カランと鳴る。
カウンターの端では
神さまがハイボールを飲みながら
ポテトチップスをつまんでいる。
神さまにしては
だいぶジャンクな食生活である。
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🌌 深夜の酔っぱらいトーク
「遅すぎる人生問題」
👤 ゲスト
「マスター…」
🍸 マスター
「どうしました?」
👤 ゲスト
「自分、最近思うんです。」
「もう
遅いんちゃうかって。」
🍷 バッカス
「ほぉ〜」
ポテチを一枚食べる。
「また出た。」
👤 ゲスト
「え?」
🍷 バッカス
「“もう遅い族”やな。」
👤 ゲスト
「族?」
🍷 バッカス
「日本でいま
めちゃくちゃ多い。」
👤 ゲスト
「そうなんですか…」
🍷 バッカス
「そらそうや。」
ハイボールを一口。
「人間てな。」
「年齢を
賞味期限やと思てる。」
👤 ゲスト
「賞味期限…?」
🍷 バッカス
「せや。」
「30歳すぎたら遅い。」
「40歳すぎたら無理。」
「50歳すぎたら手遅れ。」
肩をすくめる。
「ほな聞くけどな。」
👤 ゲスト
「はい。」
🍷 バッカス
「カレー
一晩寝かしたらどうなる?」
👤 ゲスト
「…美味しくなります。」
🍷 バッカス
「せやろ。」
ニヤッと笑う。
「人間も
だいたい同じや。」
🍸 マスター
「人間カレー理論」
🍷 バッカス
「そもそもな。」
グラスを回す。
「“遅い”って思う人の
特徴教えたろか?」
👤 ゲスト
「なんですか?」
🍷 バッカス
「他人の時計で生きてる。」
👤 ゲスト
「え?」
🍷 バッカス
「誰かが成功した年齢。」
「誰かが結婚した年齢。」
「誰かが社長になった年齢。」
「それ見て
焦ってるだけや。」
👤 ゲスト
「……」
🍷 バッカス
「でもな。」
枝豆を口に放り込む。
「人生の時計って
人それぞれや。」
少し笑う。
「ワシなんか。」
「神さまになるまで
だいぶ時間かかった。」
👤 ゲスト
「そうなんですか?」
🍷 バッカス
「せや。」
ハイボールを飲む。
「最初ただの
飲んだくれやった。」
🍸 マスター
「今もほぼそれですけどね」
🍷 バッカス
「せやけどな。」
グラスをコトンと置く。
「人間の人生ってな。」
「始めた日が
スタートの日や。」
👤 ゲスト
「……」
🍷 バッカス
「30でも。」
「40でも。」
「50でも。」
指を立てる。
「今日やり始めたら
今日が1日目や。」
👤 ゲスト
「……」
🍷 バッカス
「せやからな。」
ニヤッと笑う。
「“もう遅い”って言う前に
これ思い出し。」
👤 ゲスト
「なんですか?」
🍷 バッカス
「やらんかった未来の方が
だいたい後悔する。」
👤 ゲスト
「……」
🍷 バッカス
「人生てな。」
笑う。
「だいたい
思ってるより長い。」
🍸 マスター
「そしてだいたい
思ってるより適当です」
🍷 バッカス
「せや。」
最後に一言。
「せやから安心せえ。」
ハイボールを飲み干す。
🍷 バッカス
「人間、だいたい
いつ始めても遅ない。」
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🫧 エピローグ
ミナミの夜は、
だいたい人生の正解を教えてくれない。
でも。
「もう遅い」と思っていたことが、
ただの思い込みやったと
気づく夜はある。
BAR PRIMOでは今夜も、
神さまがポテチを食べながら
誰かの勘違いを
少しだけ笑いながらほどいている。
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