🌠 元カレの幻に勝手に負けてる夜。──相手、存在してへんで。

🍸 酔っぱらいの神さまがいる店。
──BAR PRIMO 夜話 2

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🪞 導入文

もう終わったはずやのに、

なんでか、

比べてしまう。

今の人もええ人やのに、

どこかで、

「あの人の方が…」って思ってまう。

でもそれ、

ほんまに“あの人”なんやろか。

それとも、

都合よく編集された記憶なんやろか。

そんな夜、ありますよね。

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📢 ナレーション

大阪ミナミ、深夜0時。
雑居ビルの最上階。

氷がカランと鳴るたび、
今日も誰かの“記憶の加工”が
静かに進んでいく。

BAR PRIMOのカウンターで、
神さまが笑いながら言った。

「それな」

相手、もう存在してへんで。

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🎭 深夜0時酔っぱらいトーク

👤 ゲスト
「…今の人おるんですけど」

🍷 バッカス
「うん」

👤 ゲスト
「なんか、元カレと比べてまうんです」

🍸 マスター
「また上映してるな」

👤 ゲスト
「……はい」

🍷 バッカス
「ほな先に言うで」

👤 ゲスト
「……?」

🍷 バッカス
「それな」

元カレちゃう

👤 ゲスト
「……え?」

🍷 バッカス
お前の中で編集された元カレや

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「ベストアルバムだけ流れてるやつやな」

🍷 バッカス
「それな」

「嫌やったとこ、だいたい削除済み」

👤 ゲスト
「……あぁ」

🍷 バッカス
「ほんで今の人はな」

フル尺ノーカットや

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「そら勝てへんわ」

👤 ゲスト
「……確かに」

🍷 バッカス
「勝ち負けちゃうねん」

「そもそもな」

対戦相手がおらん

👤 ゲスト
「……え?」

🍷 バッカス
「今のお前」

記憶と戦ってる

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「一人プロレスやな」

🍷 バッカス
「しかも相手、最強設定」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「思い出ってな」

時間経つほど盛られる

👤 ゲスト
「……はい」

🍷 バッカス
「優しかったとこは倍増」

「ムカついたとこはフェードアウト」

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「都合よすぎる編集やな」

🍷 バッカス
「それや」

「それに負けてる時点で」

勝負になってへん

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「ほんでな」

👤 ゲスト
「……?」

🍷 バッカス
「今の人な」

めっちゃ普通やろ?

👤 ゲスト
「……はい」

🍷 バッカス
「それがええねん」

👤 ゲスト
「……え?」

🍷 バッカス
「普通ってな」

ちゃんと現実におる証拠や

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「幻は完璧やからな」

🍷 バッカス
「せや」

「でも触れられへん」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「今の人はな」

「ちゃんとおる」

「ちゃんとズレる」

「ちゃんとイラっとする」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「それ全部込みで」

現実や

👤 ゲスト
「……」

🍸 マスター
「恋はな、現実でやるもんや」

🍷 バッカス
「ゲームちゃう」

👤 ゲスト
「……はい」

🍷 バッカス
「せやからな」

👤 ゲスト
「……?」

🍷 バッカス
「その幻」

降ろせ

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「持ったままやと」

「今の人、ちゃんと見られへん」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「ほんでな」

👤 ゲスト
「……?」

🍷 バッカス
「どうしても比べるなら」

現実同士で比べろ

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「記憶と現実で勝負すんな」

「それはズルや」

👤 ゲスト
「……はい」

🍸 マスター
「ワシも昔な」

「元カノ美化しすぎて」

「誰とも付き合われへん時期あった」

🍷 バッカス
「それただの思い出依存や」

👤 ゲスト
「……ちょっとわかります」

🍷 バッカス
「せやろ」

「でもな」

「気づいた時点で勝ちや」

👤 ゲスト
「……」

🍷 バッカス
「だってもう」

相手、おらんってわかってるやん

👤 ゲスト
「……はい」

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🫧 エピローグ

負けてた相手は、

最初からおらんかった。

ただ、

思い出に盛られた幻やった。

それだけや。

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🥃 マスターのひとことメモ

思い出はな、

勝手に強くなる。

せやから、

現実と戦わせるな。

…ええこと言うたな、今の。😁

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