📖『投げ出した先に、答えが落ちてた。』

🎬『BAR PRIMO 深夜0時の3分トーク』
🕯️夜、ほどける言葉たち。

📖『投げ出した先に、答えが落ちてた。』

📢ナレーション

もうムリ、って手放したら、
なぜか心がすこし軽くなった。
あれって、負けやなくて……
「始まりの合図」やったんかも?

今夜も3分だけ、ゆるりとお付き合いください。

🎧 BGMは、ゆるいジャズピアノ。
グラスの氷がカラン、と鳴る。

深夜0時すぎ。
🍷レイカはスマホを伏せて、
カウンターにうなだれていた。

🍷レイカ(ぼそっ)
「……もう限界かもしれん。」
「仕事も恋も頑張ったつもりやったけど、
全部投げたくなってきた。」

🍸マスター(グラスを拭きながら)
「ええやん、投げたら。」

🍷レイカ(びっくりして)
「え、そこ止めへんの?」

🍸マスター(ニヤリ)
「ワシな、”人生の投げ出し案件”、
3回どころか
数えきれへんくらいやっとるベテランやねん。
もはや『投げ出しのプロ』や。」

「けどな、面白いもんで──
ほんまに大事なもんって、投げ出したあとに
“あっち側”から見えてくるんや。」

🍷レイカ(ふっと笑って)
「何それ。”あっち側”て……ゲームのラスボスか。」

🍸マスター
(指でカウンターをトントンしながら)
「たとえばな、仕事辞めて
“もうオレ終わりや”ってなったやつが、
急にパン屋はじめてバズるとかあるやん。」

「それって、
投げ出したからこそ見えた選択肢やで?

ワシも昔、人生投げ出したら、
気づいたらこのBARのカウンターにおった。
まさか天職っちゅうオチになるとは
思てへんかったけどな。」

🍷レイカ(真顔に戻って)
「でも、投げ出すのって、やっぱ怖いやん。」
「”逃げた”って思われるし……”負け犬”とかさ。」

🍸マスター(グラスをくるくる回しながら)
「せやけどな──
“逃げた先”に咲いてる花って、
意外とキレイやったりする。」

「それ、負け犬やのうて、
“自分の幸せを知ってる場所選びのプロ”やで。」

🍷レイカ(肩の力が抜けて)
「……あぁ、わたし、
もうちょっとダサくてもええかもな。」
「むしろ、その方が息しやすいかも。」

🍸マスター(嬉しそうにうなずいて)
「そうそう。”カッコつけ人生”って、
呼吸浅なるねん。」

「ほんまに大事なことは、
“投げ出したあとに残った、
飾らない自分”が教えてくれる。」

🍷レイカ
「なるほどなぁ…じゃあ今の私は、
もしかして”本番前”か。」

🍸マスター(目を細めて)
「そう。”ここまできた自分”よりも、
“ここから始まる自分”の方が、たぶんおもろい。」

🥂マスターが出したのは──
しぼりたてレモンと
爽やかなミントの”投げ出しモヒート”
(肩の力を抜き、新しい自分と出会うための一杯)

🫧グラスに刻まれた言葉:
「限界は、出発点かもしれん。」

📖エピローグ

閉店後。
マスターはカウンターの下に落ちた
レモンを拾って、しばらく見つめていた。

「限界ってさ、レモンみたいなもんで──
絞るまではただの酸っぱいヤツやのに、
絞ったら、
料理にもカクテルにも香りが立つんよな。」

ふぅとため息まじりに、ぽつり。

「…せやけど、あのレイカに出したモヒート、
レモン逆向きに刺さっとってん。

ワシ、天才や思てドヤ顔で出しとったのに……
なんで誰も突っ込んでくれへんのやろな、
ほんま。」😁

#投げ出しの先に宝あった
#限界のふりしたスタートライン
#レモン逆さまでも人生うまい
#逃げたんやなくて抜け道見つけた
#しんどいときは呼吸からやり直そ
#ドヤ顔の失敗に優しさが宿る
#BARで拾う自分のかけら
#投げ出した夜が始まりの夜
#勝ち負けより息できてるか
#モヒートに救われた夜