📖『夢を諦めかけた夜に』

🎬『BAR PRIMO 深夜0時の1分トーク』
🕯️夜、ほどける言葉たち。

📖『夢を諦めかけた夜に』
テーマ:夢、あきらめ、照れ、そして少しの希望。

🎹BGM:小さなピアノの独り言のような音。雨の夜、ゆっくり降る静けさ。

BAR PRIMOのカウンターに、久しぶりの顔が帰ってきた。
肩をすぼめるように座った彼は、グラスの中をじっと見つめていた。

🥃ユウジ(ぼそっと)
「夢って、いつまで見ててええんかな……」

🍸マスター(氷を転がしながら)
「お、唐突にええテーマ持ってきよったな。」

🥃ユウジ
「高校の頃からやりたかったことがあって。
でも全然うまくいかん。まわりはちゃんと働いてて、家庭持ってて…
自分だけ、何やってんやろ…って凹むねん。」

🍸マスター
「あるあるやなぁ。
ワシも昔、“音楽で食ってく!”とか言うてたけど、
今や氷でリズムとってるだけや。」

🥃ユウジ(吹き出して)
「でもマスター、かっこええやん。
ちゃんと自分の店やってて。
そういうの、夢叶えてるように見えるけどな。」

🍸マスター(少し笑って)
「せやけどな…“夢を叶えた”って感覚、正直あらへんねん。
“夢を作り直してきた”って感じや。」

「夢って、“叶える”んやなくて、“育て直す”もんかもしれへん。
種まいたときと、育った姿、違ってもええやろ?」

🥃ユウジ(ぽつりと)
「夢って、変わってもええんかな…」

🍸マスター(にやり)
「夢に正解なんかないわ。
途中で“ちゃうな”って気づくのも、大事な進路変更や。」

「ワシなんて、“全国にバー持つ!”とか言うてたのに、
今は“10坪のスナックで誰かの話聞いてる”だけやで。
もはや夢っていうより“夜の駄菓子屋”や。」

🥃ユウジ(笑いながら)
「でも、それもええな…
ちょっと“違う夢”の形、考えてみるわ。」

🍸マスター
「ええこと教えたる。夢ってな、“言うてるだけ”やったらただのホラや。
でも、“ちょっとでも動いた瞬間”から、それはもう“予定”や。」

🥃ユウジ(きょとん)
「予定…?」

🍸マスター
「『ハワイ行きたい』って言うてるうちは夢やろ?
でも航空券ポチったら、それ、もう“予定”や。
出発は先でも、もう動き出してる。」

🥃ユウジ(はっとして)
「うわ、それ、なんか腑に落ちた。」

🍸マスター
「せやからユウジも、夢へのチケット一枚でええねん。
本を買うでも、SNS始めるでも、
今ここで“やる”って言うでも。」

「“いつか”を“今なにする?”に変える。
それだけで、夢ってグッとこっち向いてくるからな。」

🥃ユウジ(ニヤニヤしながら)
「……ほな、とりあえず、
“夜の駄菓子屋の講習会チケット”、買うわ。😁」

🍸マスター(にっこり)
「なんや笑われへんけど…
それや!それが夢のタネや。明日から、水、ちゃんとやるんやで。😄」

🍸マスターが出したのは──ラムベースの“ほろにがカクテル”

🫧グラスに刻まれた言葉:
「夢って、ちょっと置きっぱなしでも、腐らへん。」

📖エピローグ:

閉店後。
マスターは店の棚のすみに置いていた古いノートを開く。

昔、自分が書いた夢のリスト。
“全国展開”も、“CDデビュー”も、線で消されている。

でも、ページの隅に、ひとことだけ残っていた。
「小さくても、毎晩灯ってる場所をつくる。」

マスターはふっと笑ってつぶやく。

「……この“夢”、意外と気に入っとるんよな。」

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