📖『夢を諦めかけた夜に』

🎬『BAR PRIMO 深夜0時の3分トーク』
🕯️夜、ほどける言葉たち。

📖『夢をあきらめかけた夜に』

「まだ夢見てんの?」って言われたら、ちょっと恥ずかしいけど。

でも、“もう無理やろ”って自分で決めつけた瞬間に、
夢って、いちばん静かに泣くんですよね。

今夜も3分だけ、ゆるっとお付き合いください。

🎹BGM:ピアノがひとりごと言うような音。
しとしと降る雨の夜に、そっと溶ける静けさ。

BAR PRIMOのカウンター。
ひさしぶりに顔を出したユウジが、肩をすぼめて座った。

🥃ユウジ(ぼそっ)
「夢ってさ……いつまで見ててええんやろか?」

🍸マスター(氷を転がしながら) 「なんや急に、重めのテーマ持ってきよったな。」

🥃ユウジ
「高校のころから“これやりたい”って思ってたことあったのに、
全然うまくいかんくてなぁ…

まわり見たらみんな、ちゃんと働いて、家庭も持ってて──
“オレ、何してんねん”って、なんか凹んでまうんよ。」

🍸マスター
「あるあるや。
ワシも昔、“音楽で食ってく!”言うてたけど、
今や氷でリズムとってるだけやで。」

🥃ユウジ(笑って)
「でもマスター、なんやかんやカッコええやん。

ちゃんと自分の店あって、夢叶えてるように見えるけどな。」

🍸マスター(ふっと笑って)
「せやけどな、“夢叶えた!”って感覚、正直あらへんねん。

どっちか言うたら、“夢、作り直してきた”感じや。」

「夢ってな、育て直してええもんなんよ。
まいたタネと咲いた花、カタチが違っててもええやんか。」

🥃ユウジ
「……夢って、変わってもええんやな。」

🍸マスター
「変わってナンボや。
“ちゃうな”って気づくのも、ちゃんと進んでる証拠やで。」

「ワシなんて昔、“全国にバー出す!”言うてたけど、
今は10坪のスナックで、人の話ばっか聞いてるだけや。

……せやけど、それが気に入ってんねん。
夢っていうより、もはや“夜の駄菓子屋”やな。

🥃ユウジ(笑いながら)
「それ、なんかめっちゃええな。
ちょっと“違う夢のカタチ”もアリなんかって思えてきた。」

🍸マスター
「せやろ? 夢って、口で言うてるだけのうちは“妄想”やけどな──
ほんのちょっとでも動いたら、それもう“予定”なんよ。」

🥃ユウジ(きょとん)
「予定?」

🍸マスター(ニヤッとしながら) 「“ハワイ行きたい〜”って言うてるうちは夢や。

でも航空券ポチったら、それもう“予定”やん?

まだ先の話でも、もう出発しとるねん。心の中ではな。」

🥃ユウジ(納得)
「なるほどな〜それ、ちょっと響いたわ。」

🍸マスター
「せやからユウジも、いきなり大冒険せんでええ。

本を一冊読むでもええし、SNSで“これやってみたい”ってつぶやくでもええ。

なんなら“やるわ”って、今ここで言うだけでも──それはもう、夢の第一歩や。」

「“いつかやる”じゃなくて、“今なにできるか”に変わった瞬間、
夢って、こっち向き出すからな。」

🥃ユウジ(ニヤニヤ)
「ほなオレ、とりあえず“夜の駄菓子屋の講習会チケット”買うわ。
なんか知らんけど、名前だけでワクワクしてる。😁」

🍸マスター(笑って)
「ええやん。そのワクワクが、もう夢のタネや。
明日から、水やるん忘れんなよ。」

🥂マスターが出したのは──ラムベースの“ほろにがカクテル”

🫧グラスに刻まれた言葉:
「夢って、ちょっと置きっぱなしでも、腐らへん。」

📖エピローグ:

閉店後。
マスターは棚のすみにしまってた、くたびれたノートを開く。

若いころ書いた「夢リスト」。
“全国展開”も“CDデビュー”も、線でグチャグチャに消してある。

でも、ページの隅っこに、なぜかそのまま残ってた一行。

「小さくても、毎晩あかりが灯る場所をつくる。」

🍸マスターはにやっと笑って、ぽつり。

「……これな、結局いちばん気に入ってるんよな。」知らんけど😁

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